隈病院 内科
赤水尚史
橋本病、バセドウ病、甲状腺結節の頻度は高く、一般医家の先生方が日常診療で遭遇されることも稀ではない。今回は、「潜在性甲状腺機能低下症の治療適応」と「抗甲状腺薬によるバセドウ病治療」を中心に講演を行った。
甲状腺機能低下症は我が国において、顕性約100万人、潜在性約200〜500万人、と推定される頻度の多い疾患である。潜在性甲状腺機能低下症の治療に関しては、心血管イベントのリスクが懸念されているが、治療すべきかどうかは論議のあるところである。現在における治療適応と治療アルゴリズムを中心に解説した。
また、不妊治療中や妊婦における診療ガイドラインが最近改訂されたので紹介し、さらには、甲状腺全摘後や甲状腺萎縮に伴う甲状腺機能低下症の治療における注意点にも触れた。次に、バセドウ病治療の80%以上を占める薬物療法について述べた。
治療薬の中心は抗甲状腺薬であるが、長期服用にも関わらず寛解率は服薬後約2年で30%程度と言われている。その寛解率を上げる工夫が国内外で行われており、それらの報告を紹介した。また、抗甲状腺薬によるバセドウ病寛解の機序についても触れた。